販売管理システム
販売管理は、企業が利益を上げる為の活動として一般的に行われる手順をコンピュータの中で行う場合のシステムのジャンルです。
コンピュータが無い状態での販売活動の基本は、紙に記録する事です。それらは伝票であったり台帳であったりメモ書きであったりしますが、紙に記録する代わりにコンピュータの外部記憶装置に記録し、正しい事実や数字の管理をする事が大きな目的です。
その為に必要な手順として、まずシステム側とユーザ側でその企業における販売活動の詳細を整理する必要があります。その中で最もユーザ側が理解しやすい形でシステム側が提供すべきなのは【入力】と【出力】です。具体的には、【入力】はコンピュータの画面であり、【出力】はもともとは紙で記録されていたものです。そして、それらは専門的には画面設計や帳票(表)設計と呼ばれるもので、最終的にユーザ側が最も必要なものは『印刷されるもの』であって、それは紙である事が殆どです。
掛売り
企業の販売活動の要点は掛売りと言う取引で行われるところです。
掛売りとは、一般消費者が利用する店舗における現金との引換えでは無く、商品の対価の受け取りを一定期間の後に行う方法です。
簡単に言えば後払いで商品を売ることで、支払うという立場を一般消費者から見ればクレジットカード払いが似たように見えます( クレジットカード払いでは実際にはクレジットカード会社が先に払い、一般消費者はクレジットカード会社に支払うという形態で同じではありません )
売掛金
そして、この方法による販売の対価の蓄積を売掛金と呼び、売掛と言う言葉は掛け売りとほぼ同じ意味に使用されます。
売掛金という言葉は簿記の仕訳の際にも使用されます。
【借方】売掛金:1,000 / 【貸方】売上:1,000
売上と売掛金は対を成す事になり、売掛金は経理上重要な言葉となりますが、販売管理としては売上と言う言葉で商品を納品した時点で積み上がります。そして、売掛金1,000円が振込みで支払われた場合は以下のような仕訳になります
【借方】普通預金:1,000 / 【貸方】売掛金:1,000
販売管理では、この支払われた売掛金を入金処理によって、入金の日付と種別(この場合は振込)と入金額をコンピュータに記録します。つまり、販売管理では売上と入金という現実に起こった事実に対して管理情報を記録します。それに対して売掛金という言葉は販売管理の中では使用せず、経理のシステムで使用される事になります。
企業の販売活動の目的は利益を上げる事なので、直接的に必要な事実は売上と入金です。しかし、実際の販売活動にはこれ以外の事実が発生するので、販売管理ではそれらを全て管理しなければなりません。そして、どのような事実が発生するかをユーザ側とシステム側で同じ認識にする手法として業務フローの作成があります。