業務フロー
業務フローはその名の通り業務の流れを図解したものです。その中にはコンピュータの操作が発生するタイミング以外に、人間が実際に作業する内容も含まれています。
例えば、売上を発生させる為には商品が必要です。その商品は他の企業から仕入れるかもしれませんし、倉庫にある在庫から取り出すかもしれません。そして、その商品を必要とする顧客に引き渡す為には、誰かが届ける必要があり、届けた場合に相手が受け取ったという証明が必要になります。
これを販売管理に必要な事実として流れとして繋げると一例として以下のようになります。
出庫 => 納品伝票作成 => 輸送 => 納品 => 受領書受取り => 売上確定
まだこの前後に必要な販売活動のバリエーションがありますが、【売る】と言う事実だけを取り出すとこのようになります。企業は、この流れを日々繰り返して売上を蓄積させて締めというタイミングで合計して請求と言う作業を行います。
締め処理
締めのタイミングは取引では立場の強い支払い側が決定します。つまり、売る側からすると納品先毎に締めのタイミングが違う事になりますが、期間は管理上必ず1か月となります。
販売活動として、締めの日付の次の日から次の締めの日までの売上を合計して請求書を作成します。その請求書を何らかの方法で請求先に届ける必要があるので、得意先(支払い側)がその内容を確認するのは少し先になります。
支払い
得意先側も販売活動の一環としてその請求書の内容を確認する必要があります。その請求書に該当する期間に納品された商品の納品書の内容と請求書の明細とが一致するかを確認した上で、支払処理の準備をする必要があります。
支払い側は、他の仕入先も同じ締め日になるので、全ての支払う必要のある買掛金の合計を販売管理のシステムで合計する事ができます。そして、支払時期に合わせて現金やその他の支払う為に必要な対価を準備します。この作業を一般的に資金繰りと言います。この資金繰りの状況によっては、銀行に融資をしてもらったりする事もあり、最悪資金が調達できなければ企業が負債を抱えて倒産する事もあります。
単純には、売上げてもすぐ現金が入ってこない掛け売りという形態であり、さらに支払いに関して言えば通常締めの期日より1か月以上後に支払われる事は一般的です。なので資金繰りという重要な販売活動をする上で、売上や支払の金額を正確に知って分析する為に販売管理システムは販売活動の大きな助けとなります。
入金種別
企業の一般的な支払方法は銀行振込になります。その場合、振込手数料は慣習的に請求書を発行する側の負担になる事が多いようですが、支払側が事前の取り決めで負担してくれる場合もあります。
昔は集金という業務があり、現金で支払ってもらう為に直接出向いて現金を受け取るという形態もありましたが、今ではリスクが大きいのである程度の規模の企業が利用する事は稀だと思われます。
現金にやや近い形態が小切手による支払いです。小切手を利用するには当座預金が必要で、降り出した小切手を受け取った側が銀行に出向くという手間が必要になります。現金を持ち歩くリスクは無くなりますが、盗難のリスクは残ります。そして、銀行にある口座に預け入れてもらうか現金で受け取る事になるので、リスクを考えれば得意先の取引銀行に口座を持つ必要があります。
当座預金口座を持っておれば、支払い方法として手形を選択可能になります。手形に関する詳細はさらに複雑ですが、販売管理とは直接つながりません( 在庫管理のように大きな範囲では関連します )
特殊な条件下では相殺という入金の種類があります。ある取引先が得意先にも仕入先にもなる場合、売掛金と買掛金が同時に発生する場合があります。その場合実際の現金の動きが必要無い場合は相殺という形で売掛金と買掛金を消滅させる方法です。この場合、販売管理で入金した場合は支払いも同時に発生する事になるので、ユーザができるだけ簡単に処理できるように考える必要があります。
金融機関を使う方法でもう一つ利用可能な決済方法があり、口座振替と呼ばれています。これは支払い側と同じ銀行に口座を持つ事によって、手続きだけで現金を移動させる方法です。これは、金融機関内の現金は変化せずに、持ち主のみが変わるので手数料が必要無いのが通常となります。